再発は、怖い。でも早期発見で対処できる。その為に、必要な検査。何を選択するか。 腎臓癌を発見される場合は、自覚症状として血尿が出たとき。もしくは、ドックによる検診がほとんどです。所見検査と 再発発見検査は何があるのか、ご紹介します。検査方法によっては得意不得意があります。よく知った上で医師と相 談し検査を受けましょう。 画像診断 PET(検査場所 全身 利点 全身検査可、5mm以上で発見が可能、放射線量が少ない。欠点 造影剤を注 射してから検査まで1時間程かかる。検査費用が高い、設置台数が少ない) PET(ペット)検査とは、「ポジトロン断層撮影法」のことで、X線CTのような装置で、心臓や脳などの働きを断層画像(輪 切りの断層と縦切りの断層があります。)としてとらえ、病気の原因や病状を的確に診断する新しい検査法です。欧米 では、がん検査といえばPETが一般的です。良い点は、非常に小さい腫瘍でも発見が可能。ただし、腎臓、膀胱、前 立腺の検査には向きません。 自己負担による検査では、大変に高額です。 MRI(検査場所 全身 利点 全身検査可、放射線被爆が無い、どんな方向の断面でも撮影が可能造影剤を 使用せずに血管像を描出可能、欠点 撮影時間が長い。骨皮質や石灰化等は写らない) MRI とは、「磁気共鳴画像」のことで、体内の水素原子が持つ弱い磁気を、強力な磁場でゆさぶり、原子の状態を画 像にする診断装置です。 どの方向の断面でも撮影が可能で、検査映像が鮮明なことが利点です。研究中ですがMRIでPETと同様な検査 が可能になる可能性が出てきました。 ただし、心臓ぺースメーカや人工心臓弁を使用している方は利用できません。 CT(検査場所 全身 利点 全身検査可、1cm以上で発見が可能。もっとも国内で普及している。欠点 放射 線量が多い) CT検査は、体を輪切りにするようにエックス線撮影し、コンピューターで処理して画像に写します。それにより体の中の 臓器の断面像を見ることができ、いろいろな病気を見つけだすのに威力を発揮しています。さらに造影剤(ヨード)を静 脈内に注射して行うCTでは、通常のCTでは分かりにくい病気がより詳しく診断できるようになります。これを造影CTと 言います 最近、ヘリカルCTも開発されています。高速連続スキャンをすることにより、各臓器の3D(立体画像)表示が可能にな り、肺癌検査以外に腹部臓器などの撮影にも有効に活用できる装置です。 骨シンチ(検査場所 骨 利点 全身の骨の撮影が可能、欠点 時間が掛かる注射してから約3時間後に検査) 骨シンチは、注射した薬が、骨の代謝や反応がさかんなところに集まる性質を利用して、炎症や腫瘍、骨折等を調べ る検査です。また、腎癌、乳癌、肺癌、前立腺癌などは、骨に転移しやすいと言われ、それぞれの癌治療前や治療後 の経過観察にも用いられます。 エコー検査(検査場所 部分的臓器 利点、動きをモニターで観察できる。欠点 局部のみしか検査出来ない。) 人間の耳には聞こえない超音波を体内に照射すると、組成の違う部分では反射して返ってきます。この反射波を体表 面でとらえ、体内の様子を画像化するのが超音波検査(エコー診断)です。原理はレーダーや魚群探知器と同じです。 臓器の形態や腫瘍などの病変、血流などを画像化できます。心臓、肝臓、胆のう、すい臓、腎臓などが撮影可能で す。 これらの、検査は放射線科が専門で泌尿器科の先生では、放射線検査の知識はほとんどありません。したが って、検査主体なら、放射線科へ受診したほうが良いでしょう。 血液検査による、癌検査。 腫瘍マ−カ 腎臓癌の腫瘍マ−カ。と他に転移した場合の目安として利用することになります。 腫瘍マ−カ項目 BFP(塩基性フェトプロテイン) 泌尿器科領域の悪性疾患にも高い陽性率を示す。 血液検査正常値=75ng/ml以下 腎臓癌にも、高い数字を示す場合あり。 尿検査正常値=10ng/ml以下 CEA(癌胎児性抗原) 胃、肺、すい臓、大腸がんで高い数字を示す。正常値=5ng/ml以下 CA125(カ−ボハイドレット抗原) 卵巣癌において比較的特異的に高値を示す。正常値=40IU/ml以下 AFT(ガン胎児性たんぱく質) 原発性肝臓がんの80%以上で高値を示す。正常値=10ng/ml以下 PSA(前立腺由来酸性フォスファターゼ)前立腺がん 正常値=4ng/ml以下 これらの項目は、定期的に検査を受け数値の変化を記録することが必要です。腫瘍マ−カの欠点はたばこや、別の病 気でも数値が高くなることがあり注意して取り扱うことが必要です。 これらの、検査を組み合わせて早期発見に備え、無駄に検査費を使わないために効率よく受診しましょう。 第三の腫瘍マーカ 循環がん細胞検出検査(CTC検査) 血液中にあるがん細胞を平均36%で検出可能と言われている血液検査です。 特に、血液系の癌細胞には、有効性が高く腎癌手術後に実施することにより、転移の可能性が高いか 低いかの判断材料に使えるのではないかと期待されています。 現在のところ、自由診療となっています。出来るだけ早い時期に、保険適用になって欲しい検査です。 専門家ではありませんので、間違っていることもあるかも知れません。不安や疑問は、お医者さんにお尋ねくだ さい。
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